和解と報道についての代理人弁護士(岸上英二、佐伯良祐弁護士)のコメント

和解及び報道について

2016年12月22日
         

竹内潔氏代理人弁護士 岸上 英二

同      佐伯 良祐


1.本和解の評価
 裁判における主張立証活動の結果,竹内潔氏に対する懲戒解雇を撤回する内容の和解を成立させることができました。懲戒解雇が有効であるならばこれを撤回する必要がなく,また,竹内氏に対して約750万円もの高額な金銭を支払う必要もないので,当職らは,この和解を,富山大学が竹内に対する懲戒権濫用を認めたものと評価しています。

2.報道について
 なお,報道によると,富山大学側は,本和解成立後,「大学側の主張通り,業績の虚偽記載は認定され,復職も認められなかった」という趣旨の発表をしているようですが,このような発表内容は事実に反します。
 裁判所は,民事裁判の和解手続において,当事者の主張する事実の存否を認定しません。したがって,「業績の虚偽記載が認定され」ることはあり得ません。また,竹内氏と富山大学は,今回の和解手続において,懲戒解雇処分を取り消し,出勤停止60日の処分に差し替えることを合意しましたが,このことは,裁判所が,竹内氏が出勤停止60日相当の不正行為をおこなったと認めたことを意味しているわけでもありません。
 加えて,同様の理由で,裁判所が竹内氏の復職を認めなかったというわけでもありません。竹内氏は,紛争の早期解決という観点から,自己都合により退職するという条件や富山大学が約750万円を支払うという条件を了承したに過ぎないのです。

以上 

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2016年12月22日|和解:和解について