このサイトは、2013年6月6日に、国立大学法人富山大学が同大学人文学部の竹内潔准教授に「業績の虚偽記載」という名目でおこなった懲戒解雇処分を検証して、独立行政法人化後の国立大学で生じている恣意的な教員「支配」の問題を考えることを目的としています。

2014年12月に、竹内潔氏は懲戒解雇処分無効の地位保全仮処分を申し立てました。この裁判は、仮処分申立では異例の約2年という長期にわたりましたが、竹内潔氏が勝訴したとしても、富山大学が異議申立や保全抗告、本裁判を求めてくると、さらに数年の間、同氏は裁判に拘束されることになります。そうすると、ただでさえ懲戒解雇で逼迫した家計の維持がさらに困難になり、ご家族の将来をも犠牲にしなければならなくなるという事情を鑑みて、竹内潔氏は、やむなく懲戒解雇取り消しを条件とする裁判所の和解案を受諾しました。富山大学もこの和解案を受け入れ、具体的な和解条件の折衝を経て、2016年11月29日に竹内潔氏と富山大学の間に和解が成立しました。

富山大学との折衝の結果、出勤停止60日の処分への変更という和解条件となり、内容面で不十分な結果となりました。しかし、懲戒解雇無効を求めた裁判において、懲戒解雇取り消しと解決金の支払いが実現したという点で、この和解は竹内潔氏の実質的な勝訴だと評価できます。なお、2004年の法人化以降、国立大学において、竹内潔氏の例以外に、懲戒解雇が取り消しとなったのは、2011年3月の那覇地裁における琉球大学教員の事例(停職10ヶ月に変更)だけです。

このように司法の場では解決を見ましたが、竹内潔氏が受けた懲戒解雇処分が、全国の大学の懲戒処分の事例と比べて、きわめて異例で異常な理由と手続きによっておこなわれたという事実は残ります。竹内潔氏の懲戒解雇処分は、法人化後の国立大学の恣意的な教員管理といういびつな状況が突出したかたちで反映された「事件」なのです。このサイトでは、裁判書面や資料をもとに、この事件の詳細を明らかにして、国立大学法人の現況について考察していきます。

サイトのタイトルは、竹内潔氏に対する懲戒解雇処分において、事務職員が不要として廃棄した事務処理段階の書類の記載まで処分対象となったことに由来します。なお、裁判において、富山大学は、この廃棄されたはずの書類の出所を、最後まで明らかにしませんでした。

「富山大学懲戒解雇事件を考える会」は、竹内潔氏の裁判支援をおこなってきた全国の研究者の組織である「竹内潔氏の復職を支援する会」を母体としてつくられたものです。「竹内潔氏の復職を支援する会」については、下から参照してください。

 

お知らせ

記事の追加

菅原和孝氏(京都大学名誉教授)、内堀基光氏(放送大学教授、一橋大学名誉教授)、伊藤裕夫氏(文化政策学会理事)のコメントを載せました。

2017年01月23日